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katorio

 1990年の東北・北海道ツアーを皮切りに、全国を巡り始めた香取良彦Trio。Guitarの布川曰く、これはジャズにおける水戸黄門トリオ(遊び人の助さん=布川、堅物──ほんとか?=納)だそうで、確かに実力派2人を従えて北海道は津別から沖縄は与那国島まで制覇した様は多少似ていなくもない。布川は役割を発揮し、カトリアン・スケール、カトリオといった造語を時折発しつつ、ツアーの始まりに初リーダー作を制作していた彼も、現在では十数作を発表するに至る。当初から八面六臂の活躍の納は、最近ではスタンダード・バイブルがヒットして全国にその名を知らぬジャズ・プレイヤーはいない人気ぶりである。肝心の香取はと言えば、音楽大学ジャズ教育の重責を担いつつ(本人談)、かえって絶滅危惧種のVibraphoneなだけに、そしてその演奏するさまが無駄に派手なこともあって時折目立ったりしている。

 音の小さなVibraphoneにとって、配慮のないDrumsほど存在価値のないものはなく、ついでにDrumsはツアーで運ぶのにかさ張るので(爆)、したがって消去法で出現したこのTrioも、案外響きは心地いいのです。VibはDuoならPIanoがいいが、TrioはGuitarとBassだね、って印籠ご開陳のように不文律を決め込んでからもう四半世紀かぁ。そろそろカトリオのCD出してもいい頃……なんて言ってるうちにそんな媒体すら消えようとしている。色んなことがありましたが、それはまぁ、ライヴ・トークをどうぞお楽しみに。バカ話もほどほどに、このトリオのサウンドを、全身に浴びていただくべく、ご来場を心よりお待ち申し上げます。

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